河井案里氏氏参議院議員辞職へ

2019年の参院選広島選挙区の公職選挙法違反事件を巡って東京地裁で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告(47歳)-自民党を離職‐は2月3日午前、議員辞職する意向を党幹部に伝えた。

同日午後に辞職願を山東昭子参院議長に提出し、参院本会議で許可される見通しだ。公選法の規定に基づき4月25日に参院広島選挙区候補が、衆院北海道2区補選、産院長野選挙区補選と合わせて実施される。

案里被告は党幹部に電話で、3日午後に辞職願を提出すると伝え「お世話になりながら、何もできずに申し訳ありません」と謝罪したという。

案里被告は東京地検特捜部に逮捕される前日の2020年6月17日に離党、地裁は1月21日案里被告に対して懲役1年4カ月、執行猶予5年の有罪判決を下した。判決が確定すれば当選無効となり失職する見込みだった。

控訴期限は2月4日で、案里被告が判決を受け入れるかは明らかになっていないが期限を前に議員辞職を判断した。案里被告は2020年10月に保釈されたが国会に出席しておらず、給与にあたる歳費や文書通信交通滞在費の計200万余りを毎月受け取っていることに批判が出ている。

判決によると、案里被告は19年3月~5月、夫で衆院議員の克行被告(57歳)-公選法違反で公判中-と共謀し、広島県議4人に現金計160万円を配った。判決はいずれの県議も案里被告を応援しており、政治資金の処理に必要となる領収書もないことから現金の趣旨は買収だとした。

4月25日の補選は、収賄罪で在宅起訴された元農相の吉川貴盛被告(70歳)-自民党を離党‐の議員辞職に伴う衆院北海道2区補選と、立件民主党の羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う衆院長野選挙区補選と同日に執り行われる。

同3選挙区は菅義偉首相にとって初の国政選挙となる。これから政局はどのような局面を迎えるのだろうか。